TheMagicPosition/PATRICK WOLF
2007年 10月 19日
とうとう手に入れたパトリックの最新アルバム。
この作品はなんと3作目だということを最近知ってさらにびっくり...この人まだ23~4だよね?ソロアーティストでほぼセルフプロデュース(前作のことはよく知らないけれど多分そうだろう。。。この人の性質上)で、もうそんなキャリアがあるなんて、このジャケ(ルックス?)からは想像できない(笑)!そして音作りもまた、意外なほど「まとも」でまたまた驚いたのであります。
きけば、彼はクラシックの素養があるそうで、いわゆる演奏者として卓越した人であり(ヴィオラやらピアノやら楽器はほぼ弾けるようです)、その奇抜なルックスからは連想できないしっかりした音楽創作能力がある人なのでした。私もこれだけしっかりした作品を作る人だとは思っていませんでした。ライブでの"規格外"(色んな意味で...)のイメージが大きすぎて、完全なるパフォーマンス偏重型のアーティストだと思い込んでました。
もちろん、パトリックにしかできないような、クラシックとエレクトロのごった煮(!?)ソングのオンパレードで、フツーの作品群なわけではありません。でも、ラリキン・ラヴが体現していたような"青さ"がにじみ出るような良い意味での素人くささや、若いアーティストが持ってる初期衝動の危なっかしさはこの人にはありません。もちろんバンドとソロの違い、タイプの違い、キャリア(?)の違いはあるにせよ、これは一体どういう人なんだろうと考えてしまいました。
あといわゆる曲ごとの「歌詞カード」がないのです。何だかよくわからない(笑)アルバムのイメージを言葉にしたようなやたらと長~~い「詩」が縦書きに綴られているだけなので(読むのに一苦労。。。)、それじゃなくてもコンセプトアルバム(と私は解釈してます)として全部の曲が連動して聴こえるので部分的、具体的な把握も理解も英語聞き取り幼児レベル以下の私にはさーっぱり無理なので、この言語感覚からは上記の「詩」からなんとなくイメージするしかない。貧困な感性ではキャッチできない作品なのです。。。あな恐ろしや(笑)。
でも何かこの感じ覚えがあるなぁ...少しSFチックで実験的でおそろしく散文的な...あ。こりゃまたジュリアン・コープの世界なのでした(笑)。やっぱり。同じタイプかなとは思ってたけど。
ジュリアンよりはずっと正統派のアーティストだとは思いますが(ジュリアンはある意味非ミュージシャンなので)、表現とか土台の感性とかでかなり共通するものがある気がします。ラリキンくんよりも。
この人のもってる世界はあまりにも広大過ぎて、まだ私にはその全容は見えません。とりあえず前作などをきっちり聴いてその探求を地道に始めてみようかと思ってます。
♪MY FAVOURITE TRACKS♪
1 Overture
2 Magic Position
3 Accident & Emergency
5 Bluebells
6 Magpie
8 Augustine
9 Secret Garden
10 Get Lost
蛇足:ちなみに彼は83/6/30生まれのかに座でした。..."詩"にてんびん座っていう言葉が出てくるからてっきりそうかと思ったのに。でも、意外と歌に情感があるのでなるほどって感じです。
再蛇足;気がつけばこんな来日前インタビューが敢行されておりました。さすがパト様!!
by aicoa
| 2007-10-19 22:52
| ARTIST'00s