twilight saga:forever*コンプリート(前回出たコンプリboxにはない特典映像2枚有) DVDbox・Blu-rayBox12/20発売


by aicoa

LuchinoVisconti FILMS

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今までも度々巨匠ルキノ・ヴィスコンティの映画は各チャンネルで放送されてきましたが、今年は彼の生誕100周年記念だったそうで、BS2で特集が組まれています。彼の映画が好きな人間として、ここは大まかながら彼の作品を語らさせていただきたいと思います。
ヴィスコンティの作品で一番最初に見たのは「ヴェニスに死す」でした。彼の代表作の一つですが、かなり衝撃的でした。作品のテーマ的にはものすごくアンモラルで下世話なものにもなりかねないのに、そう言わせない品格と迫力があるのです。そして、出てくる風景、建物の全てが美しい。彼はイタリアの貴族の末裔だったそうですが、そういう人間にしか描写できないであろう、古き良きヨーロッパ文化の映像世界があります。でもストーリーが余りに残酷で、歪んだ愛がテーマであったりするのでそのコントラストが、またその美しさを際立たせているのです。
それを体現する俳優にも、相応しい品格をもった人ばかりが選ばれていますが、ダーク・ボガードやバート・ランカスターなどの名優はさておき、ヴィスコンティの映画を彩った人として私が一番印象に残っているのは、ヘルムート・バーガー氏です(今回の放送では"ルートヴィヒ"に出演しています)。彼がヴィスコンティの映画に出演したのはたった3作品("地獄に堕ちた勇者ども"<’69>"ルートヴィヒ"<’72>"家族の肖像"<’74>)なのですが、彼こそはヴィスコンティの作品に出るために生まれたような人だったと思います。

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ヘルムート氏がちゃんとしたキャストでヴィスコンティの映画に出たのは、「地獄に堕ちた勇者ども」が最初でしたが、この作品はヴィスコンティの中でも最高レベルのグロテスクさを誇る作品であり、彼のデビュー作としては余りに過酷な(?)役どころでした。ナチズムを何処までも残酷に描き、その倒錯の美の中心となったのが彼の演じた資産家一家の御曹司で後にナチ親衛隊に堕ちる青年でした。でもインパクトとしてはこれ以上なく、彼のどこか翳のある美貌とイメージを最大限に引き出され、演技の点でも新人とは思えないものだったのですっかりファンになってしまいました。それからルートヴィヒ、家族の肖像と彼の俳優としての存在感は増してゆき、本当にもっとヴィスコンティが長生きして作品を創り、彼の成熟っぷりを堪能したかったと悔しい気持ちです(ヴィスコンティは’76に死去)。あまりにヴィスコンティとの相性が良かったために、それ以外の映画でその資質を十分に活かせなかったというのは皮肉な悲劇でした。
ヴィスコンティという人は、本当の貴族の品格とその裏にある闇を描ける、最後の本物の貴族だったのだと思います。小市民そのものである自分には遙か遠い世界であるけれど、遠い故にヨーロッパ文化の華やかで豪華絢爛な世界は憧れであるし、想いを馳せてしまう魅力があります。
それを求めて、ヨーロッパの映画も音楽も好きだという事でもあるので、同じように興味が少しでもある人で彼の作品をまだご覧になっていない方は、この機会にぜひお勧めしたいです。あまり興味がない人でも、世界の文化史を見るつもりで彼の映画を観ると面白い発見があるのではないでしょうか。テーマはかなりキツかったりしますが、彼の作品は動く文化遺産そのものだと思います。
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by aicoa | 2006-11-17 22:23 | FILM